宮川内科・胃腸科医院
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宮川内科・胃腸科医院
〒305-0051
茨城県つくば市
二の宮2丁目2−26
TEL 029-855-8777
Dr宮川の注目コーナー
帯状疱疹の予防について
皆さん、季節の変わり目で体調を崩してはいませんか?体調を崩しやすいのは、免疫力が低下している可能性があり、体に色々な症状が現れます。今回、帯状疱疹の予防について考えてみましょう。
帯状疱疹とは、神経に潜んでいる水痘・帯状疱疹ウイルスが活性化し発症する皮膚の病気です。特徴は、体の半分、右側か左側の神経に沿って痛みを伴う皮膚症状です。
帯状疱疹になりやすい人は、50歳以上になると発症率が高いので予防が大切です。
原因には、幼少期に水疱瘡にかかった後、症状が治まってもウイルスは完全に除去されるわけではなく、神経細胞に残っています。心身ともに健康であればこのウイルスが再び活性化することはありませんが、加齢や過労、ストレスなどにより免疫力が低下すると起こります。
症状は、神経の枝が分布している皮膚の部分に広がりますので、最初は狭い範囲に軽い痛みで始まり数日の内に範囲が広まり皮膚に水ぶくれも多数みられるようになります。
高齢者の場合、免疫力が低下しているためウイルスの活性化が強く、痛みや皮疹の症状が重症化しやすいので早期発見、早期治療が必要です。
治療には、抗ウイルス薬が中心になりますが、痛みに対しては鎮痛剤、皮膚症状には塗り薬などがあります。治療が、遅くなると合併症を起こしたり後遺症が残ることもあります。
予防法については、ワクチン接種、日常の生活上の留意点を紹介させていただきます。
日常生活で注意することは、日頃から十分な休息をとること、適度な運動、食生活などだす。運動は、散歩やウォーキングなど少し体温が上がる程度がいいでしょう。日光を浴びることで免疫力も上がります。睡眠は身体のメンテナンスする重要な働きをしますので規則正しい生活や適度な運動は質の良い睡眠を得るのに効果的です。食生活は、栄養素をバランスよくとり、暴飲暴食を避けましょう。ストレス解消は、好きな音楽を聞いたり映画やテレビなどを観たり他にも解消法はあると思いますので自分に合うものを見つけておくといいでしょう。
帯状疱疹のワクチンは、2種類あります。ワクチン接種は、帯状疱疹を完全に防ぐものではありませんが、症状がひどくなることは防ぐことはできます。また、ワクチンを接種できない人や注意が必要な人もいると思いますので接種する場合は、かかりつけ医に相談をするといいでしょう
(2022年4月20日)
運動をして腸内環境を整えよう!
新型コロナウィルス感染症の流行により外出自粛、オンライン授業、テレワークが増え、生活リズムが変化した人も多いのではないでしょうか。生活様式の変化に伴い座っている状態が長くなると、排便リズムや便の状態への影響も出てきます。今回は運動とおなかの調子の関係についてご紹介したいと思います。
運動には腸の蠕動運動を促す効果があります。腸の蠕動運動が鈍いと、便秘の原因になるといわれています。便秘は悪玉菌を優勢にしてしまうため、腸内環境の悪化につながります。そのため、腸の蠕動運動を促すことが大切になるのです。
腸の蠕動運動を促すには、適度な運動が効果的です。筋肉に刺激を与えることでお腹周りの血行がよくなり、胃や腸の働きを活性化します。ハードなトレーニングは必要なく、腹部を刺激するような軽い運動や体操がおすすめです。運動を毎日の習慣に取り入れ、腸内環境を整えていきましょう。
お通じ改善で積極的に摂る食物繊維は、胃などで消化されずに大腸まで達して、お腹の調子を整えます。脂質や糖などを体外に排出する、血中コレステロール値を下げるなど、とても重要な役割を担っています。肥満や生活習慣病の予防にも効果が期待されています。
また、腸内には多くの免疫細胞が集まっています。そのため、腸内を整えることは、免疫細胞の活性化につながると考えられています。善玉菌が増えて働きが活発になることで、免疫力向上やアレルギー症状の緩和につながるとされています。
次に、腸の働きをコントロールする自律神経を整えるため、睡眠と休息をしっかり取りましょう。自律神経は、交感神経と副交感神経という2種類で構成されています。それぞれがきちんと働くことで腸の弛緩・収縮が起こり、うまく便が排出されます。
自律神経が乱れる原因といわれているのは、ストレスや疲労。この2大原因は、睡眠に作用する、セロトニンなどのホルモンにも影響を与えます。規則正しく就寝し、十分な睡眠時間を取って疲れを溜めないにしましょう。また、日常にリラックスタイムを設け、ストレスを解消しましょう。
食事や生活習慣によるケアも大切ですが、運動も取り入れてさらに効果を高めていきたいですね。ここで大切なことは、ストレスにならない程度に運動を取り入れることです。これから新緑の季節。四季を楽しみながら、ご自身のペースで、少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか。
(2022年5月9日)
尿で分かること
一度は病院で尿検査をしたことがある方も多いかと思いますが、尿検査では蛋白、糖が出ていないか、血液が混ざっていないかを調べて、腎臓、膀胱の病気がないかをチェックしています。
トイレで流す前に、自分の尿を見ていますか?
実は尿をチェックするだけで身体の状態を推測するための情報が得られます。
色はどうか、量はどうか、臭いはどうか、脱水になると尿が濃縮され濃い色になったり、量が少なくなったりします。
(尿の色)
健康の人の尿は、淡黄色から淡黄褐色です。これは血液を分解したときにでる代謝物であるウロビリンの色です。このウロビリンは常に一定の量が排出されています。
水分の摂取量が多いと、体内の水分量調節のためにたくさんの水が尿として排出されるため、ウロビリンの量も薄まり、透明に近くなります。
体内の水分が多い時は尿が増え色が薄くなり、水分が少なければ尿量が減って濃い色になります。
ただし朝起きた時の尿の色が濃いのは正常です。
睡眠中は尿量を減らす仕組みが働き、尿を濃縮しているためです。日中も朝と同じ濃い尿が出た時は脱水かもしれません。
また、ビタミン12などが入ったビタミン剤を飲んだ時は、尿本来の色より鮮やかな濃い黄色の色がでることがありますが、ビタミン剤の色です。
水様透明:水分過多、尿崩症、糖尿病など
黄色:正常
白濁:膀胱炎、腎盂腎炎など
褐色:脱水症状、ヘモグロビン尿(放置により黒色化)など
赤色:血尿、尿路結石症など
赤褐色:黄紋筋融解症など
(頻度)
排尿回数は人によりますが、だいたい1日4〜6回で10回以上行くのは異常です。
頻尿は尿量の増加が無く、排尿回数のみが増加し膀胱に炎症などの刺激があることが考えられます。
(混濁)
細菌感染による膀胱炎の場合、尿が白っぽく濁る膿尿が出ることもあります。
(泡立ち)
高度の蛋白尿及びビリルビン尿は表面張力が大きいことにより尿を振ると泡が出てくることが多いです。
(尿の匂い)
普段の尿はわずかに芳香臭(ねぎ、にんにく、にら、アスパラガスを食べた後の尿、飲酒後の尿は特異な臭気)がするだけですが、病気によってはその病気特有の臭いがします。
膀胱炎・・・排尿直後により不快なアンモニア臭
重症の糖尿病・・・甘酸っぱい臭い
フェニルケトン尿症・・・ネズミの尿のような臭い
メープルシロップ尿症・・・メープルシロップ様の甘い臭い
トリメチルアミン症・・・腐敗魚臭
健康な人でも食事や運動などの影響で異常が出る場合があり、必ずしも病気と結びつくとは限りません。
しかし、日ごろから尿を見る習慣をつけることが大事です。
尿は健康のバロメーター、しっかり見て流してくださいね。
何か気になることがありましたら、ご相談下さい。
(2022年6月21日)
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
肝臓の病気と聞くとアルコールの飲み過ぎによる脂肪肝や肝炎、B型肝炎、C型肝炎などのウイルス性肝炎が考えられていますが、ここ数年は、アルコールを飲まない人や肝炎ウイルスに感染していない人も脂肪肝や肝炎になっていることがわかりました。その多くは、生活習慣病ともいわれる肥満や糖尿病、脂質異常症に伴うものです。
脂肪肝とは、肝細胞に脂肪が貯まった状態を言います。脂肪肝と診断された方の中には、アルコールを飲まない、ウイルス感染によるものではない脂肪肝やそれによって起こる肝臓の病気は、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の方もいらっしゃいます。
この非アルコール性脂肪肝の中には単純脂肪肝でとどまることが多いですが、1〜2割程が肝硬変や肝細胞癌に進行する非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の存在も明らかになってきました。非アルコール性脂肪肝炎(NASH)には2つのヒット理論が提唱され、一つ目は、肝細胞への脂肪沈着、二つ目は、酸化ストレス・サイトカイン・鉄・インスリンの抵抗性などがありますが、遺伝的要素も重要です。非アルコール性脂肪肝の頻度は、男性は30〜40%で、女性は、10〜20%です。非アルコール性脂肪肝と診断された方の10〜20%が、非アルコール性脂肪肝炎の報告例があります。非アルコール性脂肪肝炎の性年齢別では、若い世代の男性が多く、女性は閉経を超えると多くみられます。
原因には、肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧・急激な体重減少や急性飢餓状態・薬剤などがあります。
症状は、自覚症状はありませんが肝硬変に進行するまではほとんどみられません。肝硬変に進行すると、黄疸、腹水、肝性昏睡、食道静脈瘤出血などの肝不全症状を起こします。
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の診断には、@非飲酒であるかA肝組織あるいは画像検査での脂肪肝の診断B他の原因による肝疾患の除外この3項目が必須になります。
検査は、血液検査や腹部エコー・CT検査・肝生検を行います。血液検査は、血液生化学マーカーはなく、AST(GOT)やALT(GPT)正常の症例も少なくないため、画像診断が必要になります。肝生検は、NASHの診断には必須ですが、痛みやリスクを伴う為、適応となる症例を3項目に上げさせて頂きます。
1.厳重な治療を必要とするNASHの疑いがある
2.肥満や生活習慣の改善ができず、トランスアミナーゼ高値が継続する症例
3.自己免疫性肝炎などの他の肝疾患との鑑別が必要な場合など
治療には、確立した治療法はありませんが、食事療法や運動療法が中心となります。後は、薬物治療や除鉄療法などがあります。
年に1回、健康診断を受けていますか?その健診結果で脂肪肝と指摘されたことはありませんか?自覚症状がないから大丈夫と自己判断せずに医療機関に受診することをお勧めします。健康診断によって早期発見されることもあります。
(2022年7月14日)
貧血症について
全速力で走ったとしたら、誰でも息が切れます。でも、ちょっと走っただけとか、階段を昇っただけでも息が切れるとしたら、それは何かの病気が潜んでいると考える必要があります。
人は、呼吸によって空気中の酸素を肺の中にとり入れ、その酸素を血液の中へとり込んで、それを心臓の力によって身体のすみずみまで送り、その酸素の力で全身の臓器を動かしています。「息が切れる」というのは、一言で言えば「酸素不足の状態」ということです。
したがって、酸素不足の状態を起こす病気として一番先に考えられるのは、「呼吸に関連する病気」
肺気腫、気管支炎、気管支喘息、肺結核などと「心臓・循環器に関する病気」心不全、心臓弁膜症、狭心症、心筋梗塞などがあります。
呼吸器や心臓・循環器に病気がなくても「息が切れる」病気の一つに、貧血症があります。
●貧血になると酸素が不足する
「呼吸によって空気中の酸素を肺の中にとり入れ、その酸素を血液の中へとり込んで・・・・・・」と説明しました。それをもう少し詳しく言いますと、「酸素を血液の中へとり込み、血液中の赤血球に含まれる血色素という色素と結合させて・・・・・・」ということになります。つまり、酸素を全身へ送るのには、赤血球と血色素の存在が必要なのです
貧血症というのは、血液中の赤血球の数が減っているか、または血色素の量が減ってしまった状態をいいます。つまり、貧血症では他に異常がなくても、全身に送られる酸素が不足することになります。
●貧血の症状
貧血症があると、全身に送られる酸素が不足の状態になると言いましたが、そのことは、別の見方をすれば、酸素のうすい空気の中で生活しているのと同じ状態といえます。その結果、息切れ、動悸、脳貧血、頭痛、頭重などの症状がでます。
また、酸素不足のために、居眠りが出やすくなることもあります。同じ理屈で、貧血症があると、疲れやすい、だるいなどの症状も出てきます。
貧血症は、血液中の赤血球の数、血色素の量が減った状態ですので、皮膚の赤みが減って、顔が青白くなり、爪の色の赤みも減ります。とくにまぶたをひっくり返してみると、まぶたの裏の赤みが減って白くなっているのが貧血症の典型的所見です。
また、爪が薄くて、平らになり、普通とは逆にそってしまうことがあり、スプーン形の爪と呼んでいます。
●貧血症度チェック
□疲れやすく、だるい
□すぐ息切れがする
□顔が青白い
□爪の色が赤みを帯びてない
□爪が薄くて、平らだ
□まぶたの裏が白い
□すぐ居眠りをする
□頭痛、頭重がある
□脳貧血を起こしやすい
□すぐに動悸がする
チェックしてみてください。「Yes」が多いほど貧血症度が高くなります。
●貧血の種類
「再生不良性貧血」「骨髄異形成症候群」・・・赤血球の製造場所である骨髄に原因のある貧血
「鉄欠乏性貧血」・・・材料である鉄分の不足が原因
「溶血性貧血」・・・赤血球の寿命が短くなる の3種類になります。
頻度として一番多いのは、「鉄欠乏性貧血」です。とくに若い女性に、かなりの高い頻度で見られる病気です。
貧血症は徐々に進行している場合は自覚症状があまりないことや、自覚症状があってもその原因が貧血症であることに気がつかないことが多く、治療をせずに放置されているケースがかなりあります。貧血症の原因として、子宮筋腫や大腸がんなどの重大な病気が陰に隠れていることがあります。少しでも疑わしい症状があり、定期健康診断などで貧血症を指摘されたときは、必ず医師に相談してください。
(2022年9月15日)
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