宮川内科・胃腸科医院
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Dr宮川の注目コーナー

  大腸憩室炎
皆さん、大腸憩室炎と聞いたことはありませんか?
大腸内視鏡を受け、ご自身に憩室があるという方もいるかと思います。

憩室とは、消化管の壁が外側に窪んだ部分を言います。
消化管には、食道・胃・小腸・大腸があり、いずれにも憩室はできますが、中でも多いのは大腸です。
憩室ができる状態を憩室症と言いますが、症状が全くないこともあります。
憩室炎は、大腸菌などの腸内細菌が繁殖して感染症を起こした状態です。

症状は、強い腹痛と発熱、吐き気、嘔吐などがでます。
腹痛は、比較的狭い範囲が痛むことが多く、歩いたり寝返りをしたりすると痛い部分に響くのでじっとしている方が楽ということが特徴です。大腸は、お腹全体に広がっているので憩室炎の痛みがでる部位は決まってはいません。

検査には、腹部エコーや腹部CTを行います。右下腹部の憩室炎には、虫垂炎と全く見分けがつかないため、画像診断が必要になります。

治療には・・
抗生剤の点滴で治りますが、ただし、治癒するまでには時間がかかることが多く、入院が必要な場合もあります。
食事をすることで憩室炎が悪化するため、絶食する。症状によっては水分制限もあります。絶食期間などは、血液検査結果や病状の状態により様々です。
軽症の場合は、抗菌薬の内服による治療になります。憩室炎を一度経験した人は、憩室がある以上は憩室炎の再発の可能性もあります。

大腸憩室ができる原因は、はっきりわかっていません。ただ、憩室は大腸内の圧力の高まりにより生じる可能性があるため、食物繊維をしっかりとり、便秘を解消することが大切です。
憩室炎の危険因子に喫煙と肥満が挙げられています。
憩室炎は、大腸がんの原因にはなりませんが、憩室炎の精密検査をきっかけに大腸がんが発見されることもあります。


(2020年12月17日)

  ヒートショックについて
皆さん、寒い季節には一日の終わりにお風呂がリラックスタイムとなっている人も多いかと思いますが、そんな癒しの時間が、冬の時期には一歩間違うと命の危険にかかわることもあります。原因には、温度差による血圧の変動を起こすヒートショックによるものです。

ヒートショックとは、温度差により血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起こることを言います。血圧の乱高下に伴い、脳内出血や心筋梗塞・脳梗塞などを引き起こします。血圧は寒さに対応するため血圧が上昇し、体が温まると血圧は下降します。
ヒートショックの起こりやすい時期は、11月から2月が多発しやすとされています。浴室や脱衣所の温度差、長風呂などは、危険が高まります。また、トイレや洗面所、ゴミ出しなどの短時間外に出る時、起床時やサウナなども起こすこともあるので温度差がある場所では、注意が必要です。
影響が出やすい人は、65歳以上の高齢者、高血圧、糖尿病、動脈硬化、肥満、睡眠時無呼吸症候群、不整脈、一番風呂の人、熱いお風呂が好きな人、飲酒後にお風呂に入る人、30分以上お湯に浸かる人、浴室に暖房設備がない場合などは、注意が必要です。

対策として、脱衣所と浴室の温度差がある場合、暖房があれば入る前に付けて温めたり暖房がない場合は、お風呂のふたを開けて浴室のドアを開け全体を温める。浴槽の温度を高めに設定をすると心臓に負担がかかるのでぬるめの温度にして入り少しずつ熱めのお湯を足して徐々に温度を上げていきましょう。高齢者の入浴は、時々家族の方が声をかけてあげましょう。入浴する前に血圧を計ることや水分補給もしてから入浴しましょう。長湯もさけて下さい。長湯をすることで心臓に負担がかかり、疲労感が増し立ち上がった時に転倒することもありますのでゆっくり立ち上がるようにしてください。浴槽にふたを置くことでお風呂の中で気を失ってもふたがあることで助かる可能性もあります。入浴後も油断は禁物です。温まった体が、入浴後急に冷えて、その温度差に耐えられないことがありますので注意が必要です。


(2021年2月1日)

  虚血性大腸炎について
暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
無事?オリンピックも開催されましたが、コロナ禍のため、いつもとは違ったオリンピックの形となり、記憶に残るオリンピックとなったのではないでしょうか。もうしばらく暑さが続きますがどうぞご自愛ください。
さて、今回は虚血性大腸炎について取り上げたいと思います。 

虚血性大腸炎とは
虚血性大腸炎は、大腸の粘膜の中の血管に十分な血液が通らなくなることで生じる病気です。血管に十分な血液が通らなくなることを虚血といいます。
一過性・狭窄型・壊死型と重症度が変わります。一過性のものは安静を保つことで回復が望めます。狭窄型と壊死型では手術が必要になることもあります。

原因
最も頻度の高い原因は「便秘」です。便秘で強くいきんで腹圧がかかった際に大腸粘膜への血流が途絶えるために起こります。動脈硬化を起こす高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病によって発症リスクが上昇します。こうしたことから高齢者(便秘がちな女性)に多く、時期的には脱水の多い真夏や寒い冬の時期での発症が多くなっています。便秘や排便後に腸壁が強度に収縮することで血流障害が起こり、虚血になることもあるため、若年者で発症する場合もあります。

症状
突然の強い腹痛と下痢で発症し、やがて下血が続くのが特徴です。こうした症状は、炎症性腸疾患や憩室炎など幅広い大腸疾患で起こり、それぞれ治療法が異なります。こうした症状がありましたら、診察を受けて適切な治療を受けて下さい。

治療
一過性型の場合(軽症も含む)、腸の安静を保つために絶食が必要になります。できるだけ大腸に負担がかからないような消化のいい食事管理を行い、内服薬で加療し経過観察します。場合によっては脱水にならないよう、点滴をすることもあります。一般的に1〜2週間で状態が安定してきます。その他、炎症の程度を評価するための血液検査や大腸カメラ検査、腸壁の肥厚や周辺組織の状態を確認するために超音波検査を行います。


(2021年8月12日)

  胃カメラ検査・大腸内視鏡検査を受けましょう
がん、心疾患、脳血管疾患が死因の上位と言われています。胃がん、大腸がんともに初期は無症状で気づいたころには手遅れの場合があります。胃がん大腸がんの治療が早ければ早いほど完治の可能性を飛躍的に高めることができます。早期発見のためには内視鏡検査が不可欠です。
内視鏡検査でわかること、
食道がん、慢性胃炎、胃潰瘍、胃ポリープ、逆流性食道炎、胃内部ピロリ菌の有無、胃がん、大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、大腸憩室症ほか
胃内視鏡チェックリスト
□上腹部痛
□吐き気、胸やけがある
□胃もたれ
□喉や胸に不快感がある
□胃潰瘍やポリープを指摘されたことがある
□ピロリ菌がいたことがある
□体重が急に減った
□お酒とタバコが好きな方(特にお酒を飲むと顔が赤くなりやすい方)

大腸内視鏡チェックリスト
□便潜血陽性を指摘された方
□血便が出た
□最近下痢と便秘を繰り返している。
□便が細くなってきた
□体重が急に減った
□家族が大腸がんになった方
□以前ポリープがあった方
 
上記のリストにチェックがついた方、40歳以上で内視鏡検査を受けたことがない方、これ以外にも気になる症状がある方は一度ご相談ください。
年に一度のご自身のメンテナンスのつもりで気軽に検査を受けることが大切です。


(2021年9月10日)

  脈で自分の健康を知る
皆さんご自分の脈を手首で確認をしたことがありますか?脈を診ることで自分の体質を知り日頃からの体調管理をおすすめします。

測り方
@秒針付きの時計を用意し、リラックスした体勢で安静にして座ります。
A手のひらを上向きにします。
B手首を少し上げ手首のしわができる位置(親指側)にもう片方の手の薬指の先がくるように、薬指、中指、人差し指の3本の指を優しくあてます。(指先を少し立てると脈がわかりやすくなります)
C15秒間に脈が何回打つか数えます。(回数×4=1分間の脈拍です)
D15秒位脈に触れ間隔が規則的かどうか確かめます。
E不規則かなと思ったら、さらに1〜2分程度続けます。

正常な脈は1分間に60〜80回で間隔が一定のリズムです。50以下であったり100以上または間隔が乱れてバラバラだったり、飛んだりした場合は不整脈が隠れているかもしれません。
不整脈の中には脳梗塞の原因となる心房細動が起こっていることがあります。高血圧糖尿病心不全と合併すると高率に脳梗塞を起こすことが知られています。自覚症状が無い心房細動を見つけるには、自分の脈を調べるセルフチェックが有効です。
毎日一度の脈の確認で早期の発見につなげましょう。

※心房細動とは、心房と言われる心臓の上の部屋が小刻みに震え、十分に機能しなくなる不整脈のひとつです。動悸、めまい、脱力感、胸の不快、呼吸がしにくいなど症状を感じることがありますが、自覚症状が無い方もたくさんいます。


(2021年12月14日)

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